book_rubyring’s blog

面白い本を紹介

時事ネタに絡めて、視点を多角化多角化する本を紹介します。
「Amazon.co.jpアソシエイト」

和歌山毒カレー事件の真相は、林家同様ヒ素を保持していた近所の一家の... - Yahoo!知恵袋

和歌山毒カレー事件の真相は、林家同様ヒ素を保持していた近所の一家の... - Yahoo!知恵袋

河合潤@京都大学です.この数年間,カレーヒ素事件の鑑定書を,研究の一環として解析しています.chiebukuroのこのページのことを知らせてくれた人がありましたのでちょっと書いてみようと思います.学生に手伝ってもらってYahooになんとか登録できました.

最近(2016年9月)も和歌山地裁に意見書を提出したばかりですが,その最後で「私(=河合)の一連の鑑定書・意見書が鑑定を超えて指し示す新たな真実は,不明な動機によって4名を殺害し63名に傷害を負わせた真犯人は,凶器の亜ヒ酸を現在も所持したまま,野放しであるという事実である」と結論しました.

科警研は,カレーに亜ヒ酸を投入したとされる紙コップに付着した亜ヒ酸が,H所持の亜ヒ酸とは組成が異なることを知りながら,化学分析で得られた組成比を100万倍して対数(log)をプロットして同一であるかのように見せかけていたことを『季刊刑事弁護』誌No.85に書きました.100万倍や対数などでごまかさずにプロットすると,紙コップの亜ヒ酸はH所持亜ヒ酸とは明らかに組成が異なることがわかります(末尾のクロアチアの本にカラーの図を掲載しています).『季刊刑事弁護』ではカレーヒ素事件を中心として虚偽や捏造の鑑定書が裁判で横行していること,その見分け方を連載しています.この雑誌は弁護士が読む雑誌です. 

大々的に報道されている事件のほとんどは、この事件同様、真実とはまるでかい離した内容の報道が繰り返されているようだ。警察もまた真実とは違うことを認識していることが多いようでもある。

 

奈良の騒音おばさん舞鶴の女子高生殺人、光市母子殺害事件。事件の報道は、政治における重要な局面から目をそらさせる役割を担っていたり、処罰の強化を狙っていたり、いわゆる善良な市民とどうしようもない人々という把握の仕方を強化させる役割を担っているなどその目的もさまざまではあるようだ。

 

ただひとつ言えることは、決して一般大衆の役に立ってなどおらず、報道によって結局損害を被る側は常に一般大衆の側なのだということである。

 

マスコミが大げさに騒ぎ立て始めたなら、報道の対象となっている内容自体ではなく、何を目的として騒いでいるのかを見極める必要があるのである。