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現代人のやっていることは異常なことばかり

プルタブ集めを巡る物語が絶望的なまでに『駄目な日本人のお話』で震え上がる - ゆとりずむ 

 

「学校」の異常性について考えたことのない人がいるだろうか。学校以外に社会を知らない「先生」が、ただ生まれた年が近いだけの子どもたちを、途中でメンバーを入れ替えたりすることもなく一方的に教育していく。

 

生まれた日が一日違うだけでも、学年が違えばずっと違う学年として扱われ、一年近く違う誕生日の子どもたちが同学年として扱われる。

 

担任の先生のほかに、子どもたちを受け持つ人はなく、一人の大人と大勢の子どもたちという関係は絶対に変わらない。

 

学校が異常であるだけでなく、同じような異常さは今の社会のあらゆる場面に見られる。来る日も来る日も患者と向き合う医者。犯罪者と向き合う裁判官や検察官、刑務官、警察官。トサツや食肉処理を繰り返す精肉業。プログラマーやライターにしても、実情は大きく異ならない。人間が行う多様な活動のうちのほんの一部を専門として扱い、その生き方に大きな影響を受けている。

 

さまざまな成長段階のさまざまな人々が、それぞれの人生を生きて、生と死を迎えるという事実を、分業化された社会は忘れさせて、今取り組んでいる活動だけが人生のほとんどであると思い込んでいく。犯罪の意味、病気の意味、食べることの意味、動くことの意味、生きることの意味を考えない人生が続いていく。

 

プルタブ集めに限らず、日本人に限らず、現代人の生活はすべからく異常なのである。