book_rubyring’s blog

面白い本を紹介

時事ネタに絡めて、視点を多角化多角化する本を紹介します。
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年月

若かったころの自分は何を考えていたか

それは新しい教育を受け、

新しい時代を生きる自分たちは

前の世代よりも進んでいるという誤解だった。

 

 

今の自分は何を考えているか。

 

新しいと見えた教育は

以前にもまして歪曲された情報の押し付けであったと見えてきた。

前の世代よりも進んでいるのではなく

前の世代と同じ轍を踏みながら

同じ間違いを繰り返しているだけであると見えてきた。

 

自分のポジションを得るために夢中で

立ち止まる余裕のない時代が

青春時代かもしれない。

 

年月を経て

私に見えてきたのは

そうして積み重ねてきた歴史が

人を動物としての存在から遠ざけ、

遠ざかった分だけ

不幸になっているという

大きな流れであった。

 

動物に近い生き方をしている

ピダハン、ブッシュマン、サン、ヘアーインディアンらは

動物としての幸せを感じている。

 

新しい教育を受けず、

新しい時代を生きない

人々の中に

動物らしい厳しさ

動物らしいあきらめがくれる

幸せがあった。

 

私たちに必要なのは

教育でも

医療でも

刑法でも

国家でもなく、

それらがないまま生きることのできる世界だった。

 

年月が私に告げるのは、

今の社会に合わせることだけを考えて生きることの

馬鹿らしさだった。

 

医療がないために

死ぬときがくれば死ぬ世界は

幸福だった。

 

教育がないために

学校にしばられることのない

子ども時代は幸せだった。

 

国家がないために

小集団の意志が通る世界は

幸せだった。

 

市場経済がない世界は

意味のない労働のない世界でもあった。

 

歳月を生きた人は

こうした価値観を

実感している自分に気づくことだろう。